シリコンバレーのマネージャーの常識

今回は、シリコンバレーでマネージャーをするに当たって大切なことを、いくつか列挙してみる。

 

  • マネージャーは職種でしかなく、偉いわけじゃない
    ピンですごい人は、マネージャーなんかしなくてもいいし、マネージャーよりも上のグレードで、且つ給料もマネージャーより多くもらっても当然良い。
    シリコンバレーでは、ピンでも実力があれば偉くなっていける。そうすることで、チームをまとめたりするのが苦手な人でも、その人のキャリアや道を極められる。(特にエンジニアリングにその傾向が強い。)
    もちろん、ある一定のところから上は違うけど、まあ少なくともVPぐらいまではこれが当てはまる。

  • 期待値の明確化(数値化)
    年度初めに1年間のゴールをグループレベル、個人レベルで設定するが、かなりの項目で数値化できるようにゴール設定する。営業系だったら、数値化は比較的やりやすいとおもうけど、開発系でも数値化させることで、より客観的な期待値の設定、またぶれない評価が可能になる。
    異なる人種・文化・言語が混在している会社でマネージメントするには、これはかなり必須。抽象的な話しかしないマネージャーだったら必要ない。

  • 説明責任
    その人の給料がなんでその金額で、どう算出したのか、またそのグレードのなかで、どのぐらいのところにいるのか、部下はその質問をすることが当たり前のように可能。可能というか、それは権利。そしてすべてのマネージャーにはその説明責任がある。

  • Think positive
    否定的な発言はしない。むしろ、良くするにはどうしたら良いかを話し合う。例えばパフォーマンスが悪いことを咎めるのではなく、期待値を明確にした上で、どうやったらその期待値を超えられるか、そのために何か手伝えることは無いかをDiscussionしていく。減点評価なんて、以ての外。

  • 数字に対するセンスと嗅覚
    よく突発的に、売上、マージン、プロジェクトコスト、成長率、マーケットシェア、向こう数QuarterのForecast、予算、競合製品の価格帯、などなどについて、細かく質問される。これらについて、ぱっと答えられないようでは駄目だし、仮にそれらすべての数字を持っていなくても、今分かっている数字から、必要な数字をある程度感覚的に導き出せることが肝要。あとはそれら数字を眺めて、おかしなところを嗅ぎ分けられること。これが出来ると、交渉のテーブルや、会議などでの即断即決のスピードと精度が上がる。

  • 上に行けば行くほど忙しくなる
    アメリカの場合、上に行けば行くほど超がつくほど多忙になり、より多くの時間と情熱を仕事に費やすことになる。逆にそれが出来ないと、そのポジションへは行けないし、使えないと判断されると、入れ替えが行われる。より一層厳しく成果を求められる。
    だからアメリカに来て8年間、イケてないExecutive(一般的にはDirector以上)に出会ったことがない。すべてのExecutiveはすべからくして、そのポジションにいると思う。

  • 余談:エレベーターピッチのプロになる
    マネージャーとして対外・対内交渉をする際は、相手もそれなりのポジションの人間が多く、お互い時間が限られているので、必然的に、エレベーターピッチが出来ないと仕事にならないし、回らない。
    なので、結果的にエレベーターピッチのプロになる。

 

などなど。

半分以上は自分に対する戒め的備忘録でしたw