アメリカで働く為のパス

以前の投稿で少し触れたように、自分の場合は外資の日本オフィスに入り、そこからUSの本社へ転籍したケースだけど、そもそもアメリカに来て働くにはどんなパスがあるのか、ちょっと整理してみる。

*これはあくまでも自分が知っている範囲、且つ私見も入っているので、もし他のパスや見解が異なっているところ等あれば、ぜひ教えてください。

 

多分文章で書くよりも、Mind Map的な感じでまとめたほうがしっくり来るとおもうので、まとめてみた。これを見ていただくと割と一目瞭然な気がする。

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  1. 日本の会社から駐在でアメリカに来る場合
    特徴としては、補助が沢山出る、且つ周りにいろいろとサポートしてくれる日本人がいるので、いずれ日本に帰りたいけど、海外でちょっといろいろと経験もしてみたい人には最適なオプションだと思う。
    ただ大体2~5年で帰国するので、アメリカの中にとけ込んで、いろいろな国出身のやつらと人レベルの交流を深めたり、個人レベルで同じ土俵で真剣勝負したい、というのには若干不向き。やはり印象として、人というよりも会社対会社の関わりのほうが主体になってくる。
    あとはアメリカのオフィスとはいえ、日本のカルチャーをそのまま持ち込んでしまうケースが散見され、結局シリコンバレーにいてもその本質の部分が体験できず帰国してしまうという話を、よく駐在している友だちからも聞く。(いずれ日本へ戻ることが前提なので、日本へ戻ったあとのことを日々気にしなくてはならなかったり、仕事も日本とのやり取りがかなり多いため、どうしても意識は常に日本へ向いてしまっているらしい)
    もちろん、すべては個人に帰結するモチベーションの問題なので、一概に上記のようにくくるのはどうかと思う。現に私の駐在の友人でも、現地にとけ込んでいろいろと交流を持ったり、頑張っている人たちもいる。けど、残念ながらそういう人たちは全体からやはり見たらマイノリティーな気がする。

    あとは、駐在で来たけれども、こちらの生活が好きすぎて、こちらの支社へと転籍してしまうケースを稀に聞く。しかしその場合は、すべての福利厚生を失うため、全体から見たら、マイノリティーなケースだと思う。

  2. 外資系の会社に入り、アメリカ本社へ転籍する場合
    詳細はこの1つ前の投稿を見ていただくとして、やはり営業のポジションでは移籍はほぼ無い。
    なので、必然的に、開発に携わるポジションでの可能性になるが、シリコンバレーには世界中から優秀なエンジニアやマーケティングなどが集まってきているので、その中でも自分が戦える、もしくは向こうから「君が必要だ」と指名買いをしてもらえる場合以外は、正直なかなか難しい。ただ、そんな中でも行ける人はいるわけで、ではどうしているかというと、これはあくまでも1つの例でしかないけど、例えば開発やSolution系エンジニアであれば、アメリカ本社と技術的な交流を個人レベルで深めていったり、情報をどんどん発信して、名前を知ってもらい、ある程度実力が認められるようになってきたら、転籍の機会を伺う、というやりかたをしていけば、可能性は十分あると思う。

    あと、転籍全般にいえるけど、雇用体系は現地採用と全く同じ扱いになるので、レイオフがあるときは、もちろん自分も切られる可能性があるし、切られた場合は、2ヶ月以内に国外退去をしなくてはならない(Lビザの場合)ので、なかなかスリリングだが、その分がっつりと腰を据えて自分を試せると思う。

    外資でこちらにくるメリットとしては、一度来れたら、グリーンカードをサポートしてくれる会社が多いので、もし長期間こちらで仕事をしたり、将来アメリカで転職したり、起業を考えている場合には、良いオプションだと思う。

    こっちにいて結構思うのは、ビザのことをあまり深く考えずチャレンジしにくる人が多いけど、ビザのことは真剣に考えていろいろな策を講じておくことに損はない。アメリカは移民に寛容な国だけど、それでもビザの発給に関してはシビアだし、ビザは時にその人の人生を左右することがままあるので、きちんとした理解とプランを作っておくべき。(ビザが理由でやりたいこと、行動に制限がかかることほどもったいないことはない。)

  3. 起業をしてこちらに来る場合
    まだ自分はこちらで起業したことが無いので、この部分に関しては今まで色々な人から聞いたことをまとめてみる。
    このケースはかなりレアだと思うが、方法としてはアメリカで出資を受けて、こちらで起業をするパターンと、もう1つは日本で出資を受けて、アメリカで法人を作り起業をするパターンがあると思う。

    まずはそもそもどうやってアメリカで出資を受けるか?という話しがある。出資を受けるには、大概何らかの方法ですでにアメリカに入っている必要性がある。やはり、ある程度現地に腰を据えなければ、投資は受けられない。なので、日本から渡米する方法としては、不向きなオプション。

    あと、日本で出資を受けて、こちらで法人を作る場合、そこそこの資金しかなかったら投資家ビザ(Eビザ)がもらえなかった、という話を最近聞く。またもし仮ににビザが取れても、日本側で最初に出資を受けていると、シリコンバレーの投資家たちは出資することに難色を示すケースが多い。知り合いのVCたちも同じことを異口同音で言っている。なので、もしこちらで出資を受けて起業したい、という場合は、日本で投資を受けずに、少し遠回りなようだけど、こちらに他の方法で入ってからしかるべきビザ、もしくは永住権を取得して起業する方法が最適な気がする。

    ただこの3.に関しては本当にケースバイケースだから、ぜひトライしてみるのがいいと思う。

  4. 留学して、こちらに居残る場合
    シリコンバレーでは、学部卒で就職するのはかなり難しい。M.S.で且つCE(Computer Science)もしくはEE(Electrical Engineering)だったら、可能性はもちろん十分ある。あとはMBAを卒業してから、こちらで就職先を探すケース。このケースも可能性はあるけど、MBA卒を募集するポジションや職種を考えると、ある程度の実務経験+英語は必須。実務経験のないMBAを採用する場合もあるけど、ポジションはかなり限られる気がする。(自分も部下を採用するときは、結構な数のレジュメに目を通すし、インタビューもするけど、ポジションの性質上、実務経験のないMBA卒はほぼ取れない。)

    レジュメでめちゃくちゃ多いパターンは、CEもしくはEEのM.S.を卒業して、エンジニアとして会社に入り、数年間会社でエンジニアをした後、パートタイムMBAを卒業して、マーケティングやBusiness Developmentのポジションへと移っていくというパターンである。

    そんな状況が多いので、シリコンバレーの一般的な人の学歴は、めちゃくちゃ高学歴になる。とくに上記のケースはインド人に多く見られる。インド人はかなり教育熱心。

  5.  (番外編)観光ビザで潜り込んで居座るケース
    絶対やめましょうw

 

というのが、大きなパスだと思う。

 

ちなみに余談になるが、インド人やヨーロッパ系の人で一番多いのは、大学・大学院へ留学してそこからの現地就職パターン。(統計がないのでなんともいえないけど、感覚的にあっていると思う。) 中国人やベトナム人の場合は、そもそも家族で移住してきてこっちで高校・大学・大学院を卒業して就職するパターン。 そして他のアジア系の留学生は、卒業したら帰国するケースが多いと思う。

 

 

冒頭にも言ったように、これはあくまで自分の知っている範囲、また私見も入っているので、参考程度に留めておいてください。