Product Manager に求められるスキルについて(Communication編)

基本は前回の記事と同様で、当たり前のことの羅列になってしまうかもですが、今回はCommunication力を構成する以下の4点について、少し私感を。

  • 語学力
  • 会話力
  • プレゼン力
  • 交渉力

大切なことは、このCommunication力によって、良い製品がきちんと世に伝わるか、はたまた何となくで終わるか、どれだけマーケットや人を熱くできるか、がかかってくるので、前々回の技術力と、前回のマーケティング/Business Dev力をすべて出し切り、正当に世に問う為に絶対必要。

ただ残念なことに、結構なひとがこの力をUnderestimateしている気がする。

 

 

1)語学力について

自分の製品や思想を世界に対して売りたいのであれば、ネイティブクラスの英語力は必要不可欠。誤解してほしくないのは、ここでいうネイティブクラスの英語というのは、発音という意味だけではなく、言い回しだったり、語彙力だったりと、言語全体のバランスのことを指している。同じ英語でも国によってやはり訛りはあるし、そこはある程度のレベルであれば許容される(ひどい訛りは別)。でもいわゆるカタコトもしくは日常会話レベルな英語ではビジネスには使えない。

FYI, 以前の記事で少し触れてみたので、ご参考までに。
文系でシリコンバレーのアメリカの企業で働くということ - シリコンバレーで働く文系のBlog

 

特にCEOやProduct Managerなどスポークスマン的なことを生業とする場合、この語学力は本当に重要。よく見かける惜しい例は、CEOやその製品を担当しているProduct Managerやマーケの人間の英語力が低く、何をそもそも伝えようとしているのか分からない、もしくは聞く側が努力して理解しようとしないと、理解できない場面に遭遇する。。。

すなわち製品の良さや優位性を訴求しても、それが相手の頭にすんなり入ってこない状況で、自分の製品なりサービスを売り込みたいときに、これはもの凄く大きな足枷になる。

不得手なりに伝えようとする気持ちは大切だけど、それを対外的に(本番で)やるぐらいなら、しゃべれる人間を雇って、その人に伝えてもらった方がいいと思う。

この点に関しては、Y CombinatorのPaul Grahamも似たようなことを言っているし、自分も全く同意。

Y Combinator's Paul Graham defends foreign accent comments | Cutting Edge - CNET News

語学力が理由で本来もっと認知されるべき製品が、認知されないのはもったいなさすぎる。。。

 

2)会話力

2つ重要なことは、人と話すのが得意でなくても、会話力の高い人は沢山いるので、大切なことは、自分のスタンスとスタイルを1つの言語で確立しておくこと。そうするとある程度はどの言語でも応用が利く。あとはその国の文化や宗教、風習等にあわせて調整する。

もう1つはゴールを明確にして論理的に会話を組み立てて、相手に分かりやすく伝える技術。だらだらと要点が不明瞭なまま話し続けるのは駄目。

 

3)プレゼン力

これは、本当にどれだけ場数を踏んでいかに練習するかにかかってると思う。資料の作り方、話し方、立ち方、視線の動かし方、間の取り方、質疑応答のやり方、すべて重要。今の仕事的に、大小・社内外併せると年間そこそこの本数プレゼンしていると思うけど、ほぼ毎回、どんなに今まで何回もプレゼンしたことがある資料とTopicだとしても、リハーサルは行う。というのは、参加者のレベルや役職、出身国などによって、同じスライドでも伝え方を変えるため。これをしないとせっかくプレゼンをしても、情報伝達が効率的に行われない。

自分にとってすごく幸運だったことは、こちらに来てから、シリコンバレーでは伝説的なプレゼンテーションの講師である、Jerry Wismanのクラスをとることが出来て、そこで色々と直接教えてもらえたのは大きかった。

One on One: Jerry Weissman, Silicon Valley’s Storyteller

これが礎となって、今自分なりのスタイルが少しずつ出来てきた気がします。(ぜんぜんまだまだひよっこですが。。。^^;)

 

4)交渉力

これは今までに触れた1)〜3)の総合力がベースになる。

それに加えて個人的に一番大切にしていることは、様々な国の宗教や哲学や文化をより多く理解しておくこと。特に色々な国の人と交渉を行う場合、これは最も重要な点になる。

 

なぜあの人はあの時、ああいう拒絶反応を示したのか?

 

この相手にとって何が重要で何が重要でないのか?

 

などを理解するときには相手の内在的論理を知る必要があって、宗教や哲学や文化をより多く理解出来ていると立体的に状況を捉えやすくなる。またもし万が一想定外の事態に発展してもある程度は冷静でいられて、次への対応が組み立てやすくなる。

この辺に関しては、佐藤優さんの著書が非常に参考になるので、ぜひ読んでみてください。

 

 

 次回はProduct Manager に求められる Creative力、信念、哲学について少し触れたいと思います。

 

To be continued...